不倫のルール
そう言って、早足でお店に戻った。もう一度お手洗いに行って、鏡を見る。

頬を赤く染め、瞳を潤ませた自分が写っていた。

公園は薄暗かったから、この顔を柴田さんには見られてないはず……

ドキドキと、激しく打つ胸を押さえた。

……私には、黒崎さんがいる……

それに……柴田さんには、私なんかじゃダメだから……

水で濡らして、少し冷えた手で頬を押さえた。

赤みがおさまったところで、美冬達のいるテーブルに戻った。

私が戻って二~三分経ってから、柴田さんも戻ってきた。

私達の微妙な空気に、小出さんも美冬も訝しげな顔をしながらも、何も訊かずにいてくれた。

それからは、とりあえずいつも通り、四人で飲んで、食べて、しゃべった……つもり……

柴田さんと、ほとんど目が合わなくなったのは仕方ない……

いつも通り、開始から二時間程経ち、飲み会が終わった。

別れる前に、柴田さんが薄く笑いながら私に「じゃ、また!」と言ってくれた事に、少しだけホッとした。

帰り道、美冬が口を開く前に、私から話し始めた。

柴田さんに「付き合ってみない?」と言われたけど、断った事。それを、聞かなかった事にすると言った事……

「柴田さんに告白された!?しかも、断った!?あんた、バカなの!?」

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