不倫のルール
「そっか……私にも、よくわからないんだけどね……」

所属の違う美冬には、よくわからないそうだ。が、同じ営業の安井さんが「柴田の様子がおかしいから、瀬名ちゃんと話してきて」と頼まれた。

「柴田さんの様子が、おかしいの?」

美冬は頷いて、安井さんから聞いた事を話し始めた。

休み明けの月曜日から、なんとなく元気のなかった柴田さん。「どこか体調が悪いのか?」と心配したら「元気だ」と答えたそうだ。

声をかけても、すぐに反応がない。食欲もあまりなさそう。パソコンに向かってボーッとしている……

今のところ、仕事での大きなミスはないが、らしくない柴田さんの様子に、安井さんは心配しているそうだ。

「それは、確かに心配だね。でも、なんで私?」

小首を傾げて訊けば、美冬が小さく息を吐いた。

月曜日からおかしかったから、土日に何かあったのかと、安井さんは考えた。

土曜日、私達との飲み会があるのは知っていた。柴田さんの、私への気持ちもなんとなく勘づいていた安井さんは、私の名前を出してみたそうだ。

「この前の土曜日、瀬名ちゃん達との飲み会だっただろ?……瀬名ちゃんと、何かあった?」

安井さんがそう言ったとたん、柴田さんが、あからさまにビクッ!としたそうだ。

「……瀬名ちゃん?……ああ、彼女にはフラれたから……もう、あんまり会わない方がいいよな?」

< 65 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop