不倫のルール
再び見せられた柴田さんのきれいな笑顔に、私は言葉もない。

十三時にその映画館で待ち合わせる事にして、柴田さんと別れた。

喫茶店を出る時、伝票を持った柴田さんから、強引に伝票を奪う。

「私が呼び出したんですから!」と、二人分の会計をする。

「ごちそうさま!」と言った柴田さんはいつも通りで……いや、むしろ機嫌がよかったようにも見えた。

これで、よかったんだよね……?と自分に言い聞かせるが、思わぬ展開に、私はグッタリだ。

いろいろ追求されても、うまく説明できないと思った私は、美冬にメールをしておく事にした。

『柴田さんと話した。初告白で、予想外に断られた事に、ちょっとショックを受けただけみたい。もう大丈夫』

柴田さんと別れる間際、こんな感じで美冬にメールを送ろうと思いますと言った。

「俺、カッコ悪……」

わずかに眉を潜めた柴田さん。うっ!……そんな顔でもカッコいいな……なんて思ってしまった。

「うん、それでいい。安井には、俺から連絡しておくから」

と言ってくれた。



──翌日、十三時五分前。

昨日は柴田さんの手際のよさに流され、いろんな事をOKしてしまった。

が、落ち着いて考えてみると……

柴田さんと、二人だけで映画っ!?だけじゃなく、毎週のように二人だけで会うの!?

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