不倫のルール
柴田さんは、そう言ってニッコリ笑った。その笑顔に、私はドキッ!としてしまった。

自販機でお茶を買ってから、園内にあった芝生広場に移動する。お弁当を広げたり、休憩をするカップルや家族連れがたくさんいた。

私も、背負っていたリュックを下ろし、中から敷物を取り出した。

「そっか……いつも荷物少なめの繭ちゃんが、今日は大きなリュックを背負っていたから、ちょっと不思議に思ってたんだ」

敷物に二人で座り、リュックからタッパーを取り出した。

突然だったから、家にあった物に詰めてきた。可愛さとかは、全くないです……

ウェットティッシュで手を拭いて、タッパーを開けた。

「“おにぎらず”です。どうぞ!」

「おにぎらず?」

「はい!見ての通り、ご飯のサンドイッチかな。具材は三種類あって……これがハム・チーズです。これがツナマヨ・炒り玉子で、こっちが牛肉・ごぼう・玉ねぎを甘辛く炒め煮したものです」

昨日、柴田さんと話した後に思った。「お弁当が、持って行きたいなあ」と。

でも、急だし、朝早くの待ち合わせだ。

“おにぎらず”だったら、おかずとご飯が一緒になったような物だから、いいかも!

家にある物をチェックして、具材を考え、近くの二十四時間営業のスーパーに買い出しに行った。

昨日の夜に下ごしらえをして、今朝四時過ぎに起きて作ったのだ。

< 84 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop