不倫のルール
柴田さんは、大欠伸をして言った。

「柴田さん、横になったらどうですか?私は、来る時に寝させていただいたんで……」

私は、敷物の端に寄りながら言った。

「そうだな……そうするか。……繭ちゃん、膝枕してよ」

小首を傾げて、柴田さんが言った。

「えっ!?ひっ、膝枕っ!?」

ザッと、これまでの事を振り返ってみる。“膝枕”は、初めてかも……

「絶叫マシーンに、付き合ったよね?帰り、また三時間運転するんだよな~……そんな俺の事、労ってあげた方がいいと思わない?」

「わっ、わかりました!どうぞ!」

正座をしてから少し足を崩し、自分の膝を、ポンポン!と叩いた。

「それでは、おじゃまします」

柴田さんが横になって、ゆっくりと私の膝の上に頭をのせた。

「おお~!いい感じ……」

そう言って柴田さんは、目を閉じた。

「それは、なによりです」

私は、できるだけ下を見ないようにしながら、チョコレートを食べる。

柴田さんの重みを膝の上に感じながら、ドキドキしていた。

よかった……胸まで距離があるから、この忙しない鼓動は、柴田さんには聞こえていないはず……

無意識のうちに手を動かしていたら、チョコレートを全部食べてしまっていた。

そして、柴田さんからは規則正しい呼吸が聞こえてきた。

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