不倫のルール
その日の飲み会は、なんとなく静かなものだった。

私は美冬や玲子さんに言われた事を、無意識のうちに考えてしまい、無口になってしまう。美冬と玲子さんは、そんな私を見守っていてくれるようだった……



このままでは、イケナイ!と思いながらも、何も変えられないまま過ごしていた。

柴田さんとも、毎週末のように会っている。今さらだが、人目を気にしてドライブ中心となった。

お弁当を、よく作って行くようになった。外で食べるのは寒いので、狭い車の中で食べやすいちょっとした物だが。

柴田さんのお家の玉子焼きは、甘くない玉子焼きだそうだが、私がたまに作る甘い玉子焼きも気に入ってくれた。

柴田さんは、私の変化に気付いている気がする。でも、何も言わない。私も自分からは、何か言うつもりはない。

安井さんは何度か柴田さんに、「飲み会に誘われた時に言った気持ちは、本当か?」と問いただしたらしいが、柴田さんにうまくはぐらかされしまったそうだ。

だから……という訳ではないが、私も柴田さんの本心はわからないでいる。

それでも、柴田さんと過ごす時間は大切なものだ。

ふと柴田さんを見る事がある。たいてい目が合う。薄い唇は緩やかな弧を描いていて、そんな柴田さんの微笑みを見ると安心する。

少しだけ変わった事──十一月の始めに会ったのを最後に、黒崎さんとは会っていない。

連絡があっても何かしら理由をつけて断っていた。

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