不倫のルール
断っても、黒崎さんに何か言われる事もない。

元々、月に一~二度しか会っていなかったのだ。私の生活に大きな変化はない。

……そう……変わっているのは“心”だ。自分でもわかっている。

でも、それをはっきりとはさせたくなかった。……どうして?私は、何を恐れているのだろう……



クリスマスの頃は、天皇誕生日の祝日に、柴田さんと二人で人気のレストランに、クリスマス・ディナーを食べに行った。私が、そうリクエストしたから。

「知っている誰かに会うかも」とは思ったけど、何かクリスマスっぽい事をしたい!という誘惑に勝てなかった。もう何年も、クリスマスは一人だったから……

お店に行ってみて、クリスマス前後の数日間、ディナータイムは、クリスマス・コースの一種類だけになると知った。

それでもいいかと注文して、食事を始めた。

各テーブルにキャンドルが置かれ、静かにクリスマスソングが流れている中、みんなが同じ物を食べている。

そう思ったら急におかしくなり、笑い出してしまった。訝しげな柴田さんに、その事を言ったら、柴田さんも吹き出してしまった。

結局しばらく二人で、ケラケラと笑い続けていた。

お正月休みは柴田さんと、一月一日に初詣に言った。

うちの近所の小さな神社に行ったので、知っている人には会わなかった。

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