不倫のルール
明奈のおばあちゃん家に住むようになってから、お正月休みは母と清水さんが暮らす家で過ごしていた。

母と一緒に暮らす事が決まった時、清水さんはそれまで住んでいたアパートから借家に引っ越した。

その借家には、私の部屋まで準備してくれた。

「繭子ちゃんのお母さんが住むこの家は、繭子ちゃんの家でもあるんだからね。いつでも、帰っておいで」

そんな言葉をかけてくれた清水さん。本当に優しい人だ。今はまだ『お父さん』とは呼べないけれど。きっといつか……そう呼びたいと思っている。

一人が身に染みる年末年始、今年は一人でいて、しっかりと寂しさを味わおうと思っていた。

でも、またもや柴田さんに甘えてしまった……

──柴田さんと過ごす穏やかで心地いい時間……

これでいい……私達の関係は、これでいい……

そんな風に思っていたズルくて弱い私の事を、やっぱり神様は、放っておいてはくれなかったのかな……



三月の半ばを過ぎた頃。

土曜日、柴田さんと会っていた。お休みの日の晴れは、久々な気がする。近くの海まで、ドライブした。

真冬は、海の色も黒を混ぜたような青で、寒々として見える。海の色が、だいぶ本来の青に近い。

……真冬の海の色も自然の色だから、“本来の色”なんだろうけど……

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