初恋フォルティッシモ
だけど、何だかんだで否定するような言葉も出てこない。
だって相手は三島くんだし。
あたしがそう思っているうちに、森くんは「な?頼む!」と両手を合わせてくる。
その姿に、あたしは「しょうがないなぁ」と呟いた。ため息交じりに。
ってか、もうほぼ強制的だけどね。
「…わかったよ」
そしてそう頷くと、森くんは「サンキュー!」と本当に直ぐ様その場をあとにしてしまった。
「……」
まぁ、いいけどさ。別に。
……それにしても。
「…三島くん?」
「…」
二人きりになったあと、あたしは三島くんをなんとか支えながらとりあえず声をかけてみる。
っていうか、君は確か、ほんの数時間くらい前にあたしとご飯食べに行ったばかりだよね?
いつの間にこんな酔っぱらってんの?
ね?ね?
だけど、三島くんは返事をしない。
悔しいけど、パパになる人がこんなんで大丈夫なのかなー。
「三島くん、家どこなの」
「…ん、」
「いや、“ん”じゃなくてね。答えになってないし」
「…」
「おーい」