〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「陽人、なんでだよ。なんで京ちゃんと別れたりしたんだ?」
俺も大概お節介だ。話したくないだろうから言ってくれない事を、こうして聞こうとするなんて。
「康介には関係無いだろ…」
「そうだけど…。あんなにいい感じだっただろ?それがなんで突然。急過ぎやしないか?」
「そもそもなんで康介がそんな事を言う。なんで俺達が別れたと思ってるんだ。お前の勘違いじゃ無いのか?」
誰が見たって勘違いなんてしない。…アホか。
「勘違い?…ああ、勘違いって言うならそれでもいいさ。
だけど、無いじゃないか。京ちゃんの化粧品が無い。カーディガンも無くなってる。
冷蔵庫も水くらいしか入ってない。調味料が動いて無い。
…歯ブラシも無い。エプロンも見当たらない。それから…」
「…もう、いい。何もかも、京の物はここには無い。…それだけのことだ」
あれもこれもよく見てやがって。これが康介の女の部分か。気にしているという事か。
「それが、別れじゃ無いって言えるのか?」
「…終わりにしただけだ」
「同じ事じゃないか」
別れとは違うと言うのか。
「帰って来ないかも知れない。だけど、気持ちとしては、送り出したくらいの気持ちだ」
「はぁ?送り出すって、なんだよ。訳解んない…」
「ちゃんと恋愛して来いって、つもりでだ」
「はあ?何、余裕こいてる」
「ふん。アイツは俺といてもときめか無いだろ?始めっから安定した気持ちだ。
ドキドキも色々と経験したいだろうが」
「何言ってる…。馬鹿か、お前は。
はぁ、お前とだってドキドキしない訳無いだろうが…」