〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「…かも知れない。だとしてもだ。
それならそれで言って来ないと…思っていても口にしなければ…相手に伝えなければ、思っていないのと同じ事になる」
「殆どの人間がそうだろ?変なもんだけど、大事な相手であればある程言えないもんだ。
…本当の気持ち程、ぶつけるのに怖いモノは無い。…失いたく無い、嫌いになられたらどうしようと思うから。
びっくりする程罵りあっているカップルを見てると、こいつら大丈夫かって思うけど、不思議と長く続いてるだろ?あれは本音の言葉をぶつけ合っているからだろうな。
反対に、思いやって本心を口にしないのは、相手を深く傷付けているのかも知れない。
話さないから、傷付いたままフォローも無い。
解り合ってるって思ってるつもりが、誤解の元なんじゃないのかな。
いいのか?このままで」
「…今は、これでいいんだ。
年齢に追いつく迄、濃くて色んな経験をして欲しい。納得いく生き方をして欲しいんだ」
「後悔してもか?」
「それも、自分で望んだ経験の一つだろ」
「はぁ。俺は陽人の何を見て来たんだろう。…さっぱり解らん」
「馬鹿は理解不能だろ?」
「ああ。解るとするなら…我慢。かな。自分に与えた試練とでも言うのか…。
これから先、守っていくにはもっと強い人間になっておかないとって思ったのか…。
一緒に居る責任みたいなモノを感じたって事かな」
「…ふん」
…正解かな。短い返事が物語ってるよ。
だけど、それでも、自分から手放すなんて馬鹿だよ陽人。