〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

か、完全に腰が抜けた。
上昇するエレベーターの中でへたり込んだ。

からかわれたんだ。
私のような女はお手の物という事か。
女子でも男子でも康介さんなら、楽勝だろう。


チン。あ、着いた。歩けるかな…。

なんだかザワザワして、とにかく落ち着かなくちゃ。平常心、平常心。
きょどっていると心配させてしまう。


ピンポン。

「はい、お、京」

「課長」

「京ちゃん」

え?康介さん?
課長の肩越しに康介さんの顔が覗いた。

「なんだか知らないが、康介が京と話がしたいってさ。別に俺の許可なんかいいのに、言いに来たから。別にいいよな?」

「え、あ、はい」

行動力あり過ぎ。もう許可取り付けてるなんて。
エレベーター下りてから、駆け上がったんだ。

私も心と体を整えてたりモタモタしてたけど。
…なんて早わざ。善は急げ、的な?…善かどうかだけど。

「都合は二人で決めたらいいだろ?」

「え、は、はい…」

「じゃあ、京ちゃん、連絡するよ」

「はい、解りました」

康介さんは、ほら大丈夫だろって顔をして帰っていった。

こんな短時間で…課長、詳しく聞いて来ないけど、簡単に納得したんだろうか。
自然と課長の顔をじっと仰ぎ見ていた。

「京、入れ」

手を引かれた。

「あ、はい」

そのまま抱きしめられた。え?ドアがゆっくり閉まる。

「…嫌なら会わなくていいからな。
俺もつい、強がって言ったけど、本当はあまり二人で会って欲しくない。…その、…ヤキモチだ」

課長。課長は素直ですね。嬉しいです、気持ちをそのまま言ってくれて。

「…課長」

目一杯背伸びをした。

「…んん、京!?」

「…課長。好きですよ。だから、大丈夫、心配しないでください」

私の方から唇を奪うなんて珍しい。自分でも驚いた。これが無意識の衝動なんだろうか。
課長は面食らっていた。

「京…」
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