〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

これはいかん。ダメダメ。三十前でも、この行為は非常にまずい。
あまり免疫の無い人からされるのは…。
ボッと赤くなってしまった。

「京ちゃんは可愛いね。
可愛いも、ちゃん付けも、もう言われると嫌?」

う〜ん。正直、世間はどうなんだろう。
ちゃんというのは、呼び方は可愛いけど、もうキツイのかも…。
可愛いは、公で無くていいから、いつまでも言われたい気持ちもあるけど。
唸って悩んだまま康介さんを見た。
寸胴に水を入れコンロにかけていた。

「フ。…そういうの。計算無しで出来るのは女として強みだな」

どういうの?

「困り顔でジッと見つめる、…そういう顔」

あ、嫌だ。勿論、計算なんかしてないけど。

「京…って呼んでもいいなら、俺もそう呼ぶけど?
ちゃんて呼ぶと小馬鹿にしてるようにも聞こえるでしょ?
俺はそんなつもり無いけど」

ベーコンもほうれん草も切る。

「京って呼んでもらっていいですよ?」

「そう?じゃあ今から、京だ」

「うん。クリームパスタにしちゃいます」

「俺、カルボナーラ作ろうか?」

「出来るの?」

「なんとなく。失敗しても、京が美味しく食べてくれるだろ?
味は間違わないから」

「う、うん。食べるよ」

「お、沸騰してきたぞ。塩、塩」

「うん」

ご飯を作る事がメインで来た訳では無いと思うのだが。
これでは作って食べて終わりにならないだろうか。
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