〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
衝突する事もなく、何気に分担しながら作った。
康介さんの作ったカルボナーラと私の作ったほうれん草とベーコンのクリームパスタ。
並べてシェアしあって食べた。
「うん、旨い。どっちも上手く出来てるよな」
「うん。でも、康介さんの方が凄い。カルボナーラってボソボソになったりするのに、滑らか、…上手」
「これだけはなんだか出来るんだ。意地だな。
一つに拘って作り続けたから」
「へえ。攻略したって事ですね」
「フ。まあな。あのさ。
…いや、なんでもない」
もう、何も話さない方がいいのか。
話せば、幸せに過ごしている現状を掻き回してしまいかねない。
…今更か。陽人本人でもないのに、代わりに語って、どうしようというのだ。
……俺は一体何をしている。…止めておこう。
陽人が望んでいるとも思えない。
「コーヒー入れるよ。スイーツ食べるんだろ?」
「あ、じゃあ、私が準備します」
「あ、だったらカップ出して。揃ってなくて悪いけど」
そんな事少しも思わなかった。男の人の一人暮らしってこんなものよね。
この前入れてくれた時と同じ物を取り出した。
「貸して」
康介さんがサーバーからコーヒーを注いだ。
「…はい」
「有難う」
康介さん、話はどうしたんだろう…。私達って…一体どういう時間を過ごしているんだろう。
何かをお腹に持ちながら、切り出さないでいる…。