〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
ピンポン。
「はい。京、入って」
「うん。届いた?」
「届いてるよ。凄いな。
俺と折半しよう。京が済ませてくれてるんだろ?」
「あ、でも...」
手に下げている大きな四角い箱はケーキだろう。
そういう事か。
「それは別にしようって言うつもり?」
「うん。だってこれは私が食べたかったからでもあるし」
またか、またキッチリ分けて精算しようとしてるな。
「バースデイケーキだろ?」
「そうだけど...」
「だったらいいじゃん。これも折半な...後で。陽人居るから」
「うん、解った。有難う」
「でも凄いな、大将の店の料理、配達までさせるなんて」
「それは...課長がね、協力してくれたの」
「あ〜、なるほどね。
遠慮の無い知り合いだもんな」
「そ、そうみたい。...それでね...その事なんだけど」
「...おい、お前ら。いつまで二人でコソコソ話してる。
メインは、俺なんですけど。
折角の温かい料理も冷めるだろうが」
「あ、はいはい、ごめんね。じゃあ、始めよう?」
ふん。何だよ。
疎外感があるな〜。
康介、普通はこんな感じなんだな。
自然じゃないか、それに随分親しげじゃないか。
「はい、グラス持ってください。では、
陽人、誕生日おめでとう」
「おめでとう」
「おお、有難う」