〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「大丈夫だよ。京がお泊りする時はアヤだから」
だから、アヤであっても、男、康介だろうが。
もういい加減止めろ。
何を考えてそんな話をする。
京が泊まるとでも思ってるのか?
「そうね、お誘いには応えないとね、一度くらいは」
おい!京。な、何言ってる。さっぱり読めない、この二人。
「本気か?京。...ハハハ、...拓が許す訳が無い」
「どうかしら?」
おい、そこはそうね、で済むところじゃないか。
なぜ挑発的な事を言う。
探っているのか。
男の康介を確かめているのか。
「陽人だって、あんな調子だったんだから、聞いてからのお泊りはまず無理だよ」
突発的に泊まればいいと誘いをかけているのか?
「そうね、お泊りするならいきなりでないとダメね」
この話、どこが落としどころなんだ?
完全な駆け引きだよな、これは。
何だよ、もう。
知らないぞ、俺はもうノータッチだ。
好きにしてくれ…。
俺は料理でも食べてるさ...。
こんなにある料理、食べなきゃ勿体ない。
お、この金目の煮付け、旨いな。
スズキのカルパッチョも旨い。フリッターにしてあるのは伊佐木かな。
魚料理もまだまだアレンジがありそうだし。
本当に店に行きたくなるな。康介に連れて行って貰おう。
「ね、ケーキ食べよ、陽人。ロウソク、フーッてやる?」
「やんなくていい、恥ずかしいだろうが」
「じゃあ、やろう?」
何だよ、だったら聞くなよ。わざとか?嫌って言っただろうが。
「まあまあ。今年の誕生日は一生に一回なんだから、ね?」
「勝手にしろ...」
そんなん言ったら毎年一生に一回じゃないか。
なんて言いつつも、早くしないとロウソクが溶けると言われれば、恥も外聞もなく吹き消していた。