〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。


「京...今夜、泊まって行けよ。朝、送るから」

「え?」

「...拓、今夜居ないだろ」

...どうして。

「なぜ知ってるの?」

「居たら誕生日の集まりの許可は難しいと思った。
料理も京が段取りして頼んだんだろ?」

「康介さん...」

言おう言おうとして、とうとう今日になり、結局は課長に言えなかった。

スッと言葉に出来なかったのは、やっぱり、陽人の誕生日の事だから...。

「陽人の誕生日、そんなに祝いたかったのか?」

ずっと会って無い。元気にしてるかどうか、知りたかった。

「それは...」

「終わりにして、友達か?」

「え?」

「女はどうか知らないが、男は引きずる。
終わったモノ、時間が経っても切なく残る。女々しいと思うだろ?

陽人は京を気遣って、元気なだけなんだ。解るだろ?
女がデリケートじゃないとは言わない。けど、殆どの男はデリケートなんだ。
京はナイーブだけどな。

で、どうする?
突発的なお泊り、するのか?」

...。

「返事は?」

...よし。

「する。...お泊りする。
アヤさんなんでしょ?お泊りの時は」

馬鹿か、京。
なんで、する、なんて言う。
引けなくなるの解って言ってるのか。...京が解らない。
解るのは、俺がアヤである事を押している事だ。


「ああ。朝は何時に送れば間に合うんだ?」

「7時にここを出る。送らなくて大丈夫、近いから」

「嫌、送る」

「いいから」

「送る。...送らせてくれ、京」

康介さんが解らない。
ううん、何となくだけど、解る。

だから、これ以上始まらないと、解って欲しくて泊まるの。

康介さんは大丈夫。
何もしない。

そんな人じゃない。
アヤさんじゃなくても、中身が男でも大丈夫。

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