〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「京...京...起きろ。そろそろ時間だ」

「ん、ん、う、ん、まだぁ...眠い」

...。

参った。これは前回無かった。
...抱き着いてくるなんて。
参った。

「京、起きろ。寝ぼけんな?仕事遅れるぞ?」

「ん、う、ん...え...」

悪夢は繰り返すのか?
また驚いて絶叫体勢に入るのか?

「...おはよう、...康介…」

おー、これも無かったじゃないか。
おはよう康介、なんて、二度と聞けないな。
...馬鹿だな。こんな些細な事が一つ一つ増える度、苦しくなるのは俺なのに。


「京〜、そのまま帰るのか?コーヒーでも飲んで出るか〜?」

俺は洗面台で顔を洗っている京に声をかけた。

「う〜ん。じゃあ、飲む」

ヤバイな...。
こんな会話する事すらヤバイ。
朝、こんな風に話しながら通勤前の時間をバタバタと過ごして一緒に出る。...今回限りだ。

「頂きます。うん、美味しい。有難う康介さん」

もう康介さんに戻ってる。
やっぱり寝ぼけてたって事か。


「じゃあ、そろそろ」

「送るよ」

早。私がコーヒー飲んでる間に着替え済ませたのね。
あ、初めて見た...。康介さんのスーツ姿。
これは...ホストどころの騒ぎじゃない。...見惚れてしまう。
会社の女子社員は毎日堪らんだろうな。

...麻美なんか居たら大変。
毎日盗撮しては大騒ぎするに違いない。
< 167 / 175 >

この作品をシェア

pagetop