〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「こんな言い方は良くないのかも知れない。でも、陽人も康介さんも、同い年だと思うと、性別云々じゃない。ただ、楽しいの。
こんな考え方はずるい?やっぱり、楽しいの中には男女の感情が入ると思う?
終わりにしても、陽人とは幼なじみみたいな、なんだかずっと気になる存在なの。
それも、思っちゃいけない感情?
課長が居るのにそんな事言う私は気が多いの?
康介さんの不思議なところに引き付けられて、知らない事、経験するのも悪い事?
普通の付き合いが楽しいと思う事も男と女だから、思っちゃいけない事?
課長なら解る?
人を好きになるのに、人として好き、楽しい、と、異性として好きと、どうやって証明したらいい?
やっぱり私は欲張り?」

...欲張りだろ。
みんな京の事が好きなんだから。
俺達は男なんだから。

「京...康介とは心配するような事、何も無かったな?」

「うん」

「吉澤さんは元気だったか?」

「うん」

「俺は最初、京に聞いた。京は大人だよな?って。
京は、はい、と言った。
京の気持ち、解らなくは無い。よく解るよ。
京の隠すことない、正直な気持ちだろう。
でも、それは、無垢な子供の感覚だ。
というか、男には無理だ。解るかな。好きは好きなんだ。
少なくとも、吉澤さんも康介も、それから、俺も」
< 172 / 175 >

この作品をシェア

pagetop