〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「陽人?ねえ、陽人?」
「ああ、ごめん。つい、嬉しくて。
京の顔みたら離したくなくなった」
嘘ではない。離したくない。
「なんか作ってくれたのか?中華の匂いがする」
「鋭い、陽人。中華丼にしようと思って。あと玉子スープも。ご飯、あ、ご飯?」
「大丈夫か?」
「大丈夫、炊いてある。先にお風呂入って来て。仕上げて準備しておくから」
「ああ。…京…」
直立の私を抱きしめ、いきなり唇が襲ってきた。
ゃ…ん…んん。苦しいくらい情熱的…。
ん…ふ…。本当に苦しくなってきた。
陽人…。
腕を動かそうとしたけど 、腕を取られ壁に押し付けられた。
もう駄目。腰が…。
はぁ。
「悪い。止められなくなった」
腰を支えながら見つめられた。
何?…恥ずかしいよ。でも目を逸らしてはいけない気がした。
真っ直ぐ陽人を見つめた。
フッと笑った。
なんだか解らないけどホッとした。
陽人、なんだか納得した顔をしてる?
「風呂入ってくる。あー、ご飯の次は京だからな」
どういう事…?…何言ってるの?