〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「京?俺は京に好きだと言った。今だって変わらないよ。ずっと好きだ。
でも、今は京が京を見詰める時だ。
慌てるな。自分をしっかり見るんだ。
俺も今更焦ったりしない。変わらず、ずっと見てるつもりだ。
落ち着くまで何もしない。
高遠が、核心を突いて来たんだ。
京と二人だったあの朝の事、問い詰めてきた。
仕事を頼んでしてもらった事に違いは無い。そう言った。
課長は京の事が好きなんですよねって聞くから、碧井はどうか知らないが、俺は好きだと言ったんだ。
高遠が俺を気にしてるのは知っていたが、その気持ちに答えるつもりは無い。
高遠のアレはちょっと違うモノだからな。
俺は遊びで摘むような事はしない。
はぁ、俺も後悔してない訳じゃ無いんだぞ?
京は誰とも付き合ってる様子が無いし、思い切って言ってしまおうかとも思った時もあったんだ。
なんだろうな、いつでも京を見られてた。
自然体で接している感じも悪く無かったし、あわよくば、何かのきっかけで京が俺の気持ちに気が付いてくれるかもと思ったりもした。
都合いいよな、そんなの。
だけど…忘れてたよ。
京はとても鈍感だって事にね。
ダメだよな。自分から言わないなんてな。
…今頃、思いだけは伝えようと思ったんだ。…もう、人のモノだ。
今更何を言ってもカナワナイと思った」