可愛い弟の為に
ほらきた!
透の考えている事くらい、兄さんはお見通しだぞ!
「はあ?」
しかし、何となく予想出来たとはいえ、思わず声が大きくなる。
周りに人が少ないとはいえ急に恥ずかしさが勝ってしまい、口元を押さえて咳払いをした。
「それこそハルちゃんが可哀想だ。
いい歳して出来婚とか、両親はますます許さないと思うけど?」
透は今まで以上のため息をついて、チラッと僕を見る。
「もう遅いかも」
もう…遅い?
それって…
「は、い…?」
僕はようやく声を絞り出した。
「うん、何となくそう思う。
そういう感覚ってよくわからないけど、多分、今朝のあれは…そうかな…」
今朝!?
「ちょっと、透!」
本当に手が出そうになった。
弟に対して、生まれて初めての感情だ。
する、しないはもう大人だし、別に良い。
まして長い年月を経てなので盛り上がる事もあるだろう。
ただね。
避妊くらいはしとけ。
親に気を使うならば。
医師としての地位もそこそこあるのに…。
自分からそれを崩すような事はダメだよ。
「まあ…確かに出来たら両親にとっては初孫だけど、でも…さすがに…」
食堂を出て二人で歩く。
「やっぱり先に絶対に結婚する意思を見せないと…」
僕は腕組をして考える。
透が急に立ち止まる。
僕も止まる。
前から父さんが歩いてきた。
今、一番会ってはいけない人に会ってしまった。
透の考えている事くらい、兄さんはお見通しだぞ!
「はあ?」
しかし、何となく予想出来たとはいえ、思わず声が大きくなる。
周りに人が少ないとはいえ急に恥ずかしさが勝ってしまい、口元を押さえて咳払いをした。
「それこそハルちゃんが可哀想だ。
いい歳して出来婚とか、両親はますます許さないと思うけど?」
透は今まで以上のため息をついて、チラッと僕を見る。
「もう遅いかも」
もう…遅い?
それって…
「は、い…?」
僕はようやく声を絞り出した。
「うん、何となくそう思う。
そういう感覚ってよくわからないけど、多分、今朝のあれは…そうかな…」
今朝!?
「ちょっと、透!」
本当に手が出そうになった。
弟に対して、生まれて初めての感情だ。
する、しないはもう大人だし、別に良い。
まして長い年月を経てなので盛り上がる事もあるだろう。
ただね。
避妊くらいはしとけ。
親に気を使うならば。
医師としての地位もそこそこあるのに…。
自分からそれを崩すような事はダメだよ。
「まあ…確かに出来たら両親にとっては初孫だけど、でも…さすがに…」
食堂を出て二人で歩く。
「やっぱり先に絶対に結婚する意思を見せないと…」
僕は腕組をして考える。
透が急に立ち止まる。
僕も止まる。
前から父さんが歩いてきた。
今、一番会ってはいけない人に会ってしまった。