BLUE SUMMER



周りの小4はもっと純粋だよね。

だって環境に恵まれているんだもん。


人を形成するのって、結局周りの環境だと思う。


愛を持って育てられたら愛に溢れる子供になるだろうし。


愛を受けなければ私みたいな歪んだ子供になってしまう。



せめて小さい頃からおばあちゃんに育ててもらえていれば、もっと純粋でいられたのかな。



私は空を仰ぎながら考えていた。



母の存在を知らなければ。

私は純粋に真っ直ぐなおばあちゃんの愛を受け入れることが出来たのだろうか。




『羽海、梅干しつけたんだけどいる?』

『いらない!梅干し嫌いって言ったじゃん!』



おばあちゃんの真っ直ぐな優しさ。

おばあちゃんの真っ直ぐな信頼。



『羽海…。』


真っ直ぐな、愛………。



「おばあちゃん…っ」



私は気づけば駆け出していた。


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