BLUE SUMMER
素直になれなくて、おばあちゃんに対してきつく当たってしまっていた私。
でもね、おばあちゃん。
本当は、おばあちゃんの愛に気づいていて、
本当はおばあちゃんのことが大好きだったんだよ。
…おばあちゃんは、そのことに気づいてくれてたかな。
『羽海、大丈夫だよ…』
ふと、耳に響いたこの声。
おばあちゃんの声だっ!
『あなたを愛してくれる人は、いっぱいいるはずよ。気づいてあげて…』
…私を愛してくれる人?
本当にそんな人が、おばあちゃん以外に存在してくれるの?
そう、思った時なんだ。
ふわあって、ほたるが私の目の前を横切って、ふわふわ私の周りを飛んで。
無意識に手を前に出して、開けば、そこに無数のほたるが集まってきた。
その中の1匹のほたるが私の手から離れ、まっすぐに向かった先。
そう、そこにーーーー
ーーーー瑞希がいたんだ。
「友達になろう」と声をかけ、
私の心を奪い、
私に笑顔を向けてくれた、
あの、瑞希が。
…まるで、おばあちゃんが瑞希を連れてきたように思えた。
ほたるを操っているようなオーラを放つ彼はまさに天使で。
「こっち、おいでよ。」
私は吸い寄せられるように恋をしたんだ。