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何でそんな事を聞いてくるのか半信半疑でいると、凌介さんは少し声のトーンを下げ話始めた。
「いや、結さ致命的に料理駄目なんだよ。まぁ実家暮しだったし仕事も忙しそうだから仕方ないけどさ」
「……」
それだけ言うと凌介さんはキッチンにいる結の方をみつめた。確かになれない手つきが否めないけど、でも一生懸命さは伝わってくる。
「なんか、ああいうの可愛いよな」
「……そうですね」
しみじみと語る凌介さんに知らず知らずに私も同意する。凌介さんから見た結は二割増しぐらい可愛いのかもしれない。
そんなほのぼのした会話をしていると、いつの間にか隣に戻って来ていた宝生さんが私達の会話を聞きちらりとぼやいた。
「またのろけ?もうさ他行ってやってよ」
「「………」」