君が好きになるまで、好きでいていいですか?
このまま帰っても構わないのだけど、忙しい時間とってくれたんだし………
そう思ってかけた言葉はよかったんだけど、その場所でかけるべきではなかった
いつの間にか人が引いて、なんだか暗い外灯が並ぶ路地…………
ちょっとした淡いライトで写し出されいる横文字の店名と料金設定の数字
どのビルも、なぜか入口は道から下がった位置にあり、入る扉が見えない
「…………いいけど、どこに入る?」
「へ?……………はっ!!!!」
駅に向かって行くその立ち止まった道を見上げると、そこはまさかのホテル街!!
「…………俺としては嬉しい誘いなんだけど」
「いやっ、あのっち、違いますっ!!そう言うつもりはっ!!」
背広を引っ張った万由の手を掴み取ると、そのまま歩きだす
えっええぇぇぇっ………!!!
「折角だし、こっちの方も見てみよう♪」
「いやっ、うそっ!そうゆうのはまだ、無理ですってぇ!!」
「まだ? 早いか遅いかの問題だったの?」
前を歩きながら嬉しそうに顔を見下げられ、ズルズルと連れていかれる
さらに路地裏らしき道に入って、地下への階段を降りて行く
「待って、待ってくださいぃぃぃっ!!」
掴まれた手を振りほどく事が出来ず
【Room 】…………ルームと書かれた
洋風で木造の古びた扉を開けると、手を握られたまま中へ入っていった
「あ、いらっしゃい佳君。今日は早いね」
「こんばんは」
所どころにあるダウンライトが長いカウンターを照らしている、そんな狭く静かなショットBarだった
「……………」
「お酒弱いよね。少しなら大丈夫?」
後藤が、後ろを顔だけ振り返りながら聞いてきた
「あ………はい」