君が好きになるまで、好きでいていいですか?
用事って訳じゃないけど、あの状況は解読出来てない
え、え、桜井さんは後藤さんが好きでずっと想い続けてて、
で、歩美さんと良い感じだと思ってた高石さんは桜井さんに頭を撫でるくらい近くにいて、優しくしてて
桜井さんも高石さんに当たり前の様に慰められてて
それを歩美さんは知ってて…………
なんか線が繋がらない
「あの…………沢村さん」
会社玄関ロビーで呼び止めて来たのはさっきも女子軍団の会議室にいた二人
「まだ何か?」
私の代わりに歩美さんが返事をする
だから、大丈夫だってそんなに凄まなくっても
声を掛けてきたのは、営業部事務の佐藤さんと総務部の三宅さん
二人は同期で、私の1つ先輩で歩美さんの1つ後輩らしい
「これから用事がなかったらどこか食べに行かない?その………なんて言うか本当に女子トークしないかなぁって」
「…………」
四人で、駅近くのちょっと小洒落た居酒屋に、
ほぼ隣の客と隔離された女子会推進の場所
『我流会』なんて店名の佐藤さんと三宅さんのお気に入りだそうだ
二人は勿論後藤さんファンなのだけど、告白したわけでもなく、一ファンとしてイケメントークを楽しむ仲間だそうだ
頼むメニューも、季節の我流特性サラダに梅紫蘇巻きかしわ串とかスパニッシュオムレツに鯛の香草焼きなどなど
赤ワインから芋焼酎までお酒には小だわりなく他人よりまず自分の
今どき女子満載の彼女たち
全くの敵意もなく、寧ろ好意的だ
「実際、沢村さん達って浅野主任派だと思ってたから全くNOマークだったんだよねぇ」