君が好きになるまで、好きでいていいですか?

物怖じしない彼女たちに先輩後輩も無いみたいで、ポンポンと軽快なトークが繰り出される

主任派って、やっぱりそうゆうのがあったのか

「あの後藤課長を叱りつける沢村さんって傑作だったぁ。あんな課長初めて見たよ」

そう言ってケラケラと笑う佐藤さん

後藤ファンと言うより後藤の恋愛事情に興味があるらしい
本人いわく『イケメンウォッチング』だそうだ


「でさぁ、沢村さん。後藤課長ってどう?やっぱり優しい?」

芋焼酎を両手で掴みながら身体を屈め、顔を近づけながら三宅さんが聞いてきた


優しい? そんなこと見れば分かるでしょ


「……ええ」

「そうだよねぇ~想像するだけでキュンとするもん」

「想像?」


「こらこら、人の彼氏だっちゅうの!まあ、気持ちは分かるけど………課長アッチは強そうだし」

二人してきゃあ~っと盛り上がるのに、歩美さんが呆れていた


「強い? って高校の時野球部だったって言ってたけど…………」

彼にそんな話を聞いた事がある。でも確かにエースでキャプテンだったけど、それ程強いチームでもなかったって話だったけど……

「へぇぇ~っ野球部?! じゃあ結構豪快だったりしてぇ。自宅のベッドなんか広くて枕が二つ置いてあるとか?」

ベッドに枕二つ? 確かにあった………

「はい。広かったです後藤さんちのベッド」

そう言うとブッと歩美さんが吹き出した

「万由っ!後藤さんち泊まったの?!」


「え、あ……あの合同飲み会の時に」

あれ? 言ってなかったっけ?
休み明けの屋上でのお試しお付き合いの話しかしてなかったかな


「付き合う前に?」

「うん。泊まった朝に告白された」


「「……………っ」」


あれ………?なんか間違ってるかな?
なんかみんな固まってる
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