君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「…………本当に万由は変わってないよな」
はいはい、どうせ私はあの頃のまま、お子様ですよ
「あの頃から万由は俺が守るって思ってたんだよなぁ」
「え?」
顔を上げると、いつの間にかこちらを見つめる慧斗
「なんでも俺が万由を優先出来たあの頃に戻れないかな………」
「……………」
鎮まりかえった教室の中で微かに校庭から運動部のかけ声が聞こえてくる
見つめる慧斗から、思わずふぃっと視線を逸らし教室の入口の方に身体を向けた
「ほっ、他の教室も見に行うか。ほら例えば生徒会室とか………」
「万由………」
「ん、何?それとも行きたいとこある?
なんかまた学校の幽霊の話思い出しちゃってあんまり………」
話題を変えながら離れて、それで帰ろうと一歩踏み出したのに
「なぁ………万由、またやり直せないか? 俺達」
「…………っ」
何となく元から前と変わらなかった慧斗の態度
まるで付き合って別れた事が何もなかったみたいに………
「万由……?」
背中を向けたまま言葉が出ない
一度「はぁ……っ」と息をついてそのまま顔を向けずに口を開いた
「もうその話は終わってる。今の慧ちゃんには和音さんがいるじゃん………」
そう………こんな話、したくないのに
すごく意を決して別れたんだから
「和音とはあの後、本当に別れた」
「…………えっ?」
思わず振り返り慧斗を見上げると、すぐ近くまで近づいてきていた慧斗
「そんな事………」
ゆっくりと後ろから覆い抱き締めてきた慧斗
「あれからちゃんと話し合ったんだ。言ったろう、和音とは元々別れるつもりだったって。
ただ、あの頃は俺が急に万由と付き合うからって言い出して和音がパニックを起こしたんだ」
「パニックって…………」
まるで逃げられない様にキュッと腕を回し、耳元で話をしてきた