君が好きになるまで、好きでいていいですか?

顔を曇らせるそんな万由に、後藤は小さく溜め息をつく

万由の頭をポンポンと触ると、そのままそこに手を置いたままにされた

「後藤さん?」


「ごめん、本当はそんな事じゃなくて………」

そう言って、何か言い難そうに万由から目を逸らした




「………もしかして向こうで、彼と何かあった?」 




「えっ………?」

「……………」


パラパラと小さな花火が連続して打ち上がるなか、後藤の顔に色々な光りが映る


もしかして…………


「後藤さん、いつからうちに来てたんですか?」

頭にあった後藤の大きな手が引いて戻っていく

「…………一度メールしてから行こうと思ったんだけど、この場所が確保できたついでに寄ったら、君が車で帰って来てて………」


「車って…………じゃあ、見てたんですか?」

車の中で慧ちゃんが私にキスしてきたところ
それに、私が昼前には帰ってた事も………?

「…………」

なんで………怒らないの?

我慢しているような、そんな寂しそうな顔を向けないでよ………


「………っ」

どう言えばいい?私だって解らないのに……


「確かに、向こうで彼に会ってました。
でもそれはだだ、彼のお母さんとうちの母親が仲良くて、
で………彼のお母さんが倒れたって、だから仕方無く電話しなくちゃいけなくて…………
だから………」


バーーン………ババァーン………バババッ………


花火は終盤のクライマックスなのか、大きな光の花がいくつも連続して上がり始めた


暫くその花火の上がる様子で、二人の会話が止まった


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