君が好きになるまで、好きでいていいですか?
**



「約束って、由哉さんだったんですか?」




浅野から相談したいことがあるからと、時間が空いた日にいつもの『Room 』で待ち合わせていた


「…………なんで薫がここにいるんだ?」

先に来ていた後藤の隣に座る山吹薫に、怪訝な表情を見せる浅野


「勝手について来たんですよ…………」


今日は部署内でも仕事がうまく回り、思いの外早くあがる事が出来た

後輩たちに、飲みに行かないかと誘われはしたが、浅野からのメールが先で断ったのだが、玄関ロビーで山吹薫が待ち構えていた

約束があるとは言ったものの、そのまましつこくついて来た山吹薫だったが

まあ、浅野先輩だし………と然して気にしなかった



いつもと同じものを翔さんに頼む浅野は、カウンターに座る後藤の隣に腰を降ろした


「勝手にって……………関心しないだろ?
万由ちゃんと来た店に他の女連れて来るとか」


浅野から万由の名前を出してきて、微かにピクリと肩を上げる


「………………」


「大体お前、こんな風に時間が取れるなら、ちゃんと万由ちゃんと話して仲直りしろよぉ」


「何か言ってる事がムチャクチャじゃないですか…………今日呼び出したのは先輩ですよ」


息をつきながら、低い声でそう言う後藤


「佳樹さんがどうして沢村さんと仲直りしなきゃいけないの? そんな必要ないじゃないっ」


「君は黙ってなさい。話がややこしくなる」


後藤の横から浅野に向かって顔を出し、口を挟む薫を、一喝する


「……………っ」

ムッと頬を膨らませる薫を横目に、グラスのジントニックを飲み干した

< 278 / 333 >

この作品をシェア

pagetop