君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「お……おつかれ様です。え、どうしたんですか? 課長………」
今まさに万由を捜しているだろう後藤からの電話だった
『悪いな高石、お前木原さんの携帯番号知ってるか?』
「え、きっ木原の携帯ですか?」
そう言って目の前を見ると、首を振る歩美
「あ…………いやぁ、最近できた彼女に女の携番消されちゃったもんですから、すみません」
『…………そうか、大変だな。知ってたら今沢村さんがどこにいるか聞いてもらいたかったんだが』
「沢村さんですか?」
『ああ、どこにいるか知ってるか?連絡とれなくて………』
困ったような声を出す後藤を気の毒に思う高石だが、口に指を立てて睨みつけられた状態に何も言えず
「さ………さぁ、わかりません」
そう言って携帯を切った
手で額を覆い「はぁっ……」と深い溜め息をつく高石
「これ、後からバレたりしないだろうなぁ……」
その内トイレから帰ってきた万由
こころなしか、元気がない様子だ
「どうした? 万由」
訊いた歩美に視線を合わさず口を尖らせている。
「後藤さん………今日は山吹さんと一緒みたい」
営業部の北川と橋本と会って言っていたと、そう言う万由に高石が思い出した様に
「ああっ……」と声を上げた
飲みに誘ったが今日は断られ、その後ロビーにいた山吹薫に「後藤課長はまだ残業ですか?」と声を掛けられた事を