君が好きになるまで、好きでいていいですか?
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週明けた月曜日
朝、屋上に上がると彼女がいた。
大概天気がよくて、風もない穏やかな気温が続くころ、朝早く屋上に来ている事は前から知っていた
「お早う、沢村さん」
もう知らない仲じゃないし、声を掛けた
「お早うございます。先週はすみませんでした、少し飲み過ぎてしまって」
「大丈夫だった?」
正直あの時の事は、あまり思い出したくないが
「………はい、あの………」
話辛そうに俯きながら、彼女は一枚の名刺を差し出した
「…………」
それは、俺が前にここで渡したプライベート情報満載の名刺だった
「あっ、でも歩美さんには見せちゃいましたけど、メル番号や携番まで覚えたり登録したりしてませんし、コピーもとってませんから」
なんか、ちょっと傷つくなぁ……その言い分
「そんな事、よかったのに」
これで完全にノックアウトかぁ………