君が好きになるまで、好きでいていいですか?

***


週明けた月曜日

朝、屋上に上がると彼女がいた。



大概天気がよくて、風もない穏やかな気温が続くころ、朝早く屋上に来ている事は前から知っていた


「お早う、沢村さん」

もう知らない仲じゃないし、声を掛けた


「お早うございます。先週はすみませんでした、少し飲み過ぎてしまって」


「大丈夫だった?」


正直あの時の事は、あまり思い出したくないが

「………はい、あの………」


話辛そうに俯きながら、彼女は一枚の名刺を差し出した


「…………」

それは、俺が前にここで渡したプライベート情報満載の名刺だった


「あっ、でも歩美さんには見せちゃいましたけど、メル番号や携番まで覚えたり登録したりしてませんし、コピーもとってませんから」


なんか、ちょっと傷つくなぁ……その言い分

「そんな事、よかったのに」



これで完全にノックアウトかぁ………



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