君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「……………」

話してるうちになんだか歩美さんがドン引きしてる…………


「なんか、万由が慧斗くん追い掛けてるっていうより慧斗くんが万由を囲ってるっぽいって思うのは、私だけ?」


それは、無いんじゃないかなぁ

だって…………慧ちゃんにはずっと何人か彼女もいたもん


一度だけ、慧ちゃんがその時の彼女と別れたって聞いた時、告白した事がある

でも…………

『万由とはずっと一緒にいたいから、今は付き合えないよ。だからまだ仲のいい幼馴染みで一緒にいよう、ねっ。』

そう言われた。

彼女にするほど好かれてないんだって落ち込んだけど、慧ちゃんは全然変わらなくって、相変わらずいろいろ気にかけてくれるし、優しくて…………だから私も気持ち諦められなくて。


「ふぅ~ん。でも、まあそれが実ったんだから万由の粘り勝ちか。ずっと一緒にいたんだから、付き合うって言うよりもう、夫婦みたいなものね。お互いの事ほとんど知ってるんだもん。」



そうだ、そうだよね。今、慧ちゃんの彼女は私なんだから




bububu………bububu………


「慧ちゃん?」


相変わらず、まるで邪魔をするようにタイミング良く、鳴る慧ちゃんの携帯

それに出る慧ちゃんを、横目に見ながら今日は晩御飯を作って食べていた処だった


電話を持って洗面所の方へ向かう慧斗


誰からだろう。仕事かなぁ…………

気になっても、気にしてないふりをする
今までだってそうしてきた

< 46 / 333 >

この作品をシェア

pagetop