君が好きになるまで、好きでいていいですか?
可愛くない。私
ほとんど八つ当たりだ…………
「やっぱり、営業部の子たちに何か言われた? 前に木原さんがヘルプに来た時もそうだったから………」
赤信号で車が停まり、心配そうにこちらに顔を向けた。
「歩美さんも?!」
「も?」
「…………あっ」
また口を手で押さえてつぐむ万由を見て、後藤が息をついた
「浅野先輩みたいに上手く人を使えない証拠だな。課長なんて名前ばっかりだしダメだね本当に、ごめんね沢村さん」
「……………」
暫く車内は、二人共黙ったまま静かに外の雨の音が響いた
「別に、課長がダメじゃないと思います。」
「んっ?」
何となく口を開いた万由
「浅野主任は、案外いい加減なとこあるし、人を持ち上げるのが上手いだけです。
だから…………後藤課長は、丁寧過ぎるんじゃないんですか?なんでも自分でやっちゃったら、かえってみんな頼り過ぎちゃいます。」
「…………なるほど、そうか」