君が好きになるまで、好きでいていいですか?
言い訳がましく、モゴモゴとそう言う万由に、
後藤の呆れた様な溜め息が堕ちてきた



「………そうゆう事、君に好意のある男に話すのは違うと思うよ。」


 えっ?


「男っていうのはバカだから、好きな子が彼氏の愚痴を訴えてきた時がチャンスだと思う生き物なんだけど、分かる?」


 はっ、ええぇぇっ?!


「君はこうして俺の車に乗ってるわけだから、そんな話をしといて、どこ連れてかれても文句いえないよ。」


赤信号で車が停まったと同時に、こっちに視線を向けたさっきとは違う真剣な後藤の表情に、ドキッとさせられる


「あのっ、えっと………あの」


そうなの?
どっ、どうしよう………対応できないよ


シドロモドロになる万由を見て、後藤の表情が元に戻る

「まあ、俺は沢村さんに嫌われたくないからしないけどね。」


はっ……?


「………もしかして、私からかわれてます?」


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