君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「ねぇ、慧斗のその好きな幼馴染みってどんな子?」
「んっ?」
ベッドの上で煙草を吸うなと、取り上げられて、灰皿を片付けながら何と無く聞いてきた和音
「ああ、万由? 俺の2歳年下で今度
Asano テクノロジー科学工業株式会社に就職が決まったんだ」
「えっ、すごい大手じゃん」
振り返りベッドサイドに座る和音
その後ろから覆い被さって首元にキスをする
「お嬢様学校で成績よかったからな。でも、一般職の事務だよ。あそこなら結婚しても仕事と家庭が両立できるだろうし。」
「…………なるほど、合理的だね」
和音とは、別に隠す訳でもなく付き合っていたが、将来を誓い合った仲ではない。
お互い親には恵まれなかったが、
俺は結婚をして、幸せになる事を希望している反面和音は、結婚には希望が持てないから、その場の幸せを望んでいた。
沢村家族の事も和音には話して、いずれ万由と付き合って結婚することも言った
だから、その時までの期間限定の付き合い
今までだって何人か付き合った彼女はいた
好きだと言われ、付き合うが万由とのことで問い詰められる事が何度かあった。
独占されると、面倒くさくなって別れた。
もともと万由以外みんな同じ、気持ちの入らないただの性欲処理だった。
でも、和音は違った。
始めから俺にとっての万由の存在を理解してのドライな付き合いだった。
だからそんな和音と、結局二年も付き合っていた。