君が好きになるまで、好きでいていいですか?
『……………どうして帰ったの? なんかあった?』
トーンを下げて話しているところで、みんなから離れて電話を掛けて来ているのが分かる
「いや、突然生理がきたんだと。
それに……………この部屋はお前の物が多すぎるから片付けないとな」
『……………慧斗、ごめん。もう切るわ』
「なんだ、来ないのか? どうせ何度も電話かけてくるつもりだったんだろ。この前みたいに」
そう言うと、電話口でのどを詰まらせる和音の様子が分かる
「迎えに行くから来いよ。万由には明日も明後日も会えないって言っといたから。」
『…………うん』
最低だな、俺は………
万由と付き合うと決めた時、和音とは別れた
彼女も「そっかっ」と、すんなり俺の部屋に来なくなった。
ただ、その日から浴びる様に酒を飲む和音に、同僚たちが心配をし始めた。
同じ会社だ、いやでもその様子が耳に入ってくる。
そして、あの万由を初めて泊めた日も………
酒が入っていた万由が思いのほか行為の後熟睡していたため、
鳴り響く同僚からの電話をとって
夜中に(と言ってもほとんど朝方だったが)酔い潰れた和音を向かえにいった。
「………何でくるのよ。あたしはいらない人間なのにぃ」
今まで付き合ってきた彼女だったら全く取り合わなかったはずなのに
「呆れてんだよ。ったく、身体壊すぞ。いい加減飲むな。ほら、帰るぞ」
和音の腕を引き上げると、そのまま腕に絡み付いてきた
「慧斗の部屋に行きたい」