君が好きになるまで、好きでいていいですか?
「………ダメだ、部屋には万由がいる」
「クックッ…………じゃあダメじゃん。帰んなよぉ。お幸せにぃ~」
そう言って手を振る和音を、無理に彼女の部屋まで送っていった。
部屋に着くと、もういいからと目の前でドアが閉められた
「………………和音」
ドア越しに名前を呼ぶと、暫くして玄関が開いた
「一人は嫌だ……」と顔を涙でくちゃくちゃにした彼女が胸の中に飛び込んできた
そのまま部屋に押し入り、長いキスを交わした
そして、彼女が寝入るまで傍に居て
その後、コンビニに寄って万由が居る自宅の部屋に戻った。
その後も、続く和音の飲み歩き
そして、そのたび酔っ払った和音からの何度も鳴る携帯の着信
「宮下、お前はもう迎えにくるな。俺がそのまま椎名の部屋に送って行くから」
そう言ったのは同期の町田
町田は、入社当時から和音が好きだったのは知っている。
分かってる、そうした方がいい事くらい
俺に和音を迎えにいく権利が無いことくらい
なのに………
『万由………ごめん。会社の奴が飲み潰れて帰れないからここに連れて来るって………』
結局俺はどっちつかずのまま
『仕事から帰って、万由が家に入ると嬉しいよ。いつでも来て。』
いつか、天罰がくだる