君が好きになるまで、好きでいていいですか?
まだ仕事だと言われると、近くに和音さんがいる想像をしてしまう。
『まあいいや、じゃあまたね。歩美さんによろしく』
「え…………うんじゃあ……」
分かりやすく声のトーンを落としながら電話を切った
「彼氏、なんだって?」
「ん? 歩美さんによろしくって」
食べかけてたサラダを口に運ぶ
「違うっ。今日、向こうはなにやってるって?」
歩美の尋問のような言い方は、余りいい話をしないのが分かる
モグモグと視線を合わせないでひたすら口に運ぶ万由
「…………まだ仕事だってぇ」
「それ本当?」
「なんで?そう言ったもん」
歩美が万由の目の前につくねの串の先を向ける
「久々にかかって来た電話が万由の今の状況確認って、怪しくない?
私の経験上、彼女に今なにやってるか、《来れない確認》するのは80%浮気してるから。
今から行ってきなよ。そうでないなら不安を確認してこなくっちゃ」
「浮気って………………だって、また行っていいか電話しなきゃ。それでダメって言われたら………」
「週末なんだし、鍵もってるんだから部屋に行ってから電話すればいいでしょ。彼女なんだからっ」
呆れた顔をして、そう言いながらグラスビールを飲み干す
「……………」
「ほらっ私の事は気にしないで行っておいで」っと手の甲を振りながら万由を追い出すように背中を押した