上司がキス魔で困ります

「ら、蘭ちゃんこそ、こんなに早くどうしたの? いつもはもっと遅いでしょ。なんかこう、偉い人とご飯行ったりとか……で」
「断って帰ってきたんだよ。めぐちゃんと出かけようと思って。メッセージ送ったけど見てないみたいだし。心配で帰ってきたら……いや、そもそも遅いと思ったから、こういうことしたの」


 蘭ちゃんのまっすぐな目が今度は私に向けられて、
「あ、あの……」
喉が詰まった。


 確かに、いないと思ったから良悟さんをウチに呼んだのだ。

 途端にものすごく悪いことをしたような気がしてきて、何を言っても言い訳にしかならないような気がして、口ごもってしまった。


「お兄さんですか」


 そこへ良悟さんが私と蘭ちゃんの間に入るようにして一歩踏み出した。



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