上司がキス魔で困ります

 良悟さんのことが好きだから、彼のことしか考えられなかった。
 仕事のことも、家族のことも、舞い上がって考えられなかった。

 そして良悟さんが「現実的に決める」って言ってたの、私を連れて行くのは諦めるってことなんだ……。


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 翌日、誰も来ていない朝早くに良悟さんを【MERI】に呼び出した。

 聞けば今日、正式に辞令が発表になるという。


「いくんですよね、フィンランド」
「ああ」


 そして私は、ぎゅっとこぶしをにぎって良悟さんを見上げた。


「私、仕事死ぬほど頑張ります」
「え?」
「頑張って頑張って、私もフィンランドに行けるくらい頑張ります。だから良悟さん、待っててください。私本当にやるって言ったらやりますから」


 そう。これが私が考えた現実的にみんなを納得させる方法だった。


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