四国周遊紀

未だ止む様子のない雨をボーッと見つめながら、バスが到着したのを確認する。また外だ、濡れるー、と心の中で大いに愚痴りながらバスに乗車した。

キャリーバッグを押さえておく必要があったため、一人用の席に座る。と、運転手さんから、あと15分くらい停まってるからね、と声をかけられ応じた。

風があったため、入口の向かい側に近い位置に座っていると、雨が吹きかけてきた。まだかな…と思うこと十数分、ちらほらと他の乗客が乗ってくる。定時になると、バスが市内に向けて出発した。

時折、バス停で他の乗客が降りていき、とうとう駅に到着した。明治の文豪夏目漱石の著書『坊ちゃん』で有名な、愛媛県は松山市である。

なぜこの場所であったか、というと。道後温泉や焼き物の町砥部、内子さらにしまなみ海道など、他にも見どころはあるが、いかんせん三泊四日で四国を回るため、あちらこちらに行く暇がなかったのであった。また行く機会があれば是非とも訪れてみたいものである。

さて、松島駅に到着したのは、ちょうどお昼時だった。この日は朝早く起き朝食を取っていたこともあり、空腹を感じていた。腹が減っては戦は出来ぬ。という訳で、昼食を求めて松山駅を後にした。

そしてこれが、小さなハプニング…もとい計画が(若干ながら)狂う原因となったのであった。

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