探偵の彼に追跡されて…
あの声は聡美さんの声…

美野里は階段の壁に沿う様に立って耳を澄ませた。

「お話があるの!貴方のお母様の事で」

「……分かった事務所で聞こう」

えっ?どうしよう?来る…

「あっ沙汰郎…お帰りなさい」

「美野里、上で待ってて食事しに行こう?」

「ごめん…まだ本調子じゃ無いから帰る」

「じゃ送って行くから少し待ってて」

「大丈夫。お疲れ様!」

「美野里…」

美野里は沙汰郎の呼びかけに応えず階段を降りて行く。

え?気のせい?ううん確かに聞こえた…

聡美さんとすれ違う時「早く別れて」と…

美野里は振り返ったが聡美は何も無かった様にそのまま2階へと階段を上がって行った。

その夜沙汰郎から電話がかかって来た。

「美野里、体は大丈夫か?」

「うん…大丈夫。ごめんね…心配かけて…」

「本当だぞ?美野里が側に居ないと、俺、心配でどうにかなりそうだぞ?」

「沙汰郎…」

「美野里会いたい」

「うん…」私も会いたい…

「そっちに行っても良いか?」

「ごめん…疲れたから…もう寝る。明日また会えるでしょ?」

「そっか…そうだよな?明日会えるよな?我慢するよ!ゆっくり休みな。オヤスミ。愛してるよ」

「うん…ありがとう…」私も愛してる……




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