探偵の彼に追跡されて…
「美野里先生、子供達の事も心配だろうけどあなた自身の事も考えないといけないのよ?」

「え?」

「子供達はバラバラになっても他の施設で生活していける。私は主人が居るし、郁子先生だって離れて暮らしてる息子さんが居るからなんとかなるわ。でもあなたはお腹の子を抱えて生きて行かないといけないのよ?」

「はい…」

「まだご両親に話していないんでしょ?」

「………」

「ひとりで育てると覚悟を決めたのは偉いと思う。でもね?時には誰かに頼る事も大事じゃないかしら?ご両親だって心配してると思うわ」

両親に話したら間違いなく帰って来いと言うだろう。
でも…

「それにお相手の方だって、美野里先生の愛した方なら人としても素晴らしい方だと思うわ。もし一緒になれなくても援助を申し出てくれるんじゃないかしら?一度話してみたらどうかしら?」

結先生の言う事は良く分かる。
今、ここが無くなればこのお腹の子を抱えて生活して行くのは難しい。

余り蓄えの無い私がこれから出産に向けてどれだけのお金がかかるか不安なのもたしかだ。 

新しく住む所を借りるのにもお金はかかるか。

大きくなっていくお腹で雇ってくれる仕事を探すのは難しい事だろう。

でも…

でも、沙汰郎には話せない。

沙汰郎は聡美さんと新たな道を歩いているのだから私が邪魔をしてはいけない。

それならばここがなくなる時は両親の元へ帰る事を考えるべきだろか…

お腹の子の為にも…




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