探偵の彼に追跡されて…
渉君が昨日『鍋が食べたい』と言って『じゃー明日幸子さんも来る日だしここで鍋するか?』と所長が言ったので仕事終わりの今事務所のキッチンで幸子さんとお鍋の支度をしてる。

「美野里さん? 携帯鳴ってますよ!」

渉君が教えてくれて机の上に置いてあったスマホを手に取り確認をしないで出てしまった。

「もしもし?」

また無言電話か…

「ハァ…」と溜息を付いて電源切る。

「美野里さん?」

渉君がどうしたのかと首を傾げている。

「ん? あっ間違い電話みたい…」と苦笑する。

そこへ幸子さんが鍋を運んで来てくれた。

「さぁ食べましょう?」

皆んなで鍋を囲む。

「さっちゃん鍋、美味しい。」

さっちゃん鍋とは幸子さんが作る醤油ベースでニンニクと生姜をたっぷり入れ豚肉と野菜を何でもたっぷり入れる鍋。

「ひとりで鍋やっても美味しくないんですのね? こうやって皆んなで食べた方がやっぱり鍋は美味しいですよね?」

渉君も一人暮らしだから鍋はやらないらしい。

「本当。私なんて最近料理なんて作らないからこうやって温かい料理久しぶりだよ。」

「美野里ちゃん、お料理するの好きだったでしょう? 今、どうしてるの?」

「ん…ちょっと…」

余分な事言うんじゃなかった…

「それより幸子さん、ご主人は今日大丈夫なんですか?」

「今日はねぇ? ショートステイお願いしたから明日のお昼に帰って来るの。だから今日はゆっくり出来るわ」

「じゃー飲んじゃいますか?」と渉君が席を立ち冷蔵庫から缶ビールを持って来た。

「渉? お前車だろ? 帰りはお姉様方を送らないとだめだよね?」

所長は意地悪な顔で渉君から缶ビールを取り上げる。

幸子さんは「渉君、悪いわね?」と言って遠慮無く飲んでいる。

「チェッ! 仕方無いか? じゃ、俺は食べまくります!」

渉君はそう言うと「美味い!美味い!」と食べる。

「白飯も美味い! 美野里さん家のお米ホント旨いっすよ!」

「有難う。母に行ってまた送ってもらうね?」

「催促したみたいですいません。」

渉君は肩を竦める。



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