探偵の彼に追跡されて…
もう誤魔化すなんて出来ない。私は覚悟を決めた。

「実は3年前無言電話が続いてて、そのうち誰かが部屋に入ったような形跡があって、アパートを引っ越したんですけど、3ヶ月ほどでまた無言電話が…それで今のところへ引っ越してきたんですけど、今のアパートの住所は両親にしか言ってなくて…」

「確かに私も住所知らないわ。何度か聞いたけど上手く誤魔化されてた…」

幸子さんは溜息混じりに言う。

ここまでは幸子さんも知ってる話。

「すいません。… 今のところは家の方には掛かってこないんですけど… 携帯の方には18時過ぎた頃ほぼ毎日の様に掛かってきて… でも、アパートも知られていないし、通勤も目立たない様にしてるので大丈夫だと思います。」

皆んなを安心させる様に私はニッコリ笑って見せる。

「だから駅のトイレで二度も着替えてるの? 使う駅も毎日変えてるでしょう?」

えっ? どうして所長が知ってるの?

「美野里ちゃんの様子がおかしかったから何度か尾行した。だから美野里ちゃんの部屋知ってるよ! 何度着替えても僕の追跡からは逃げれないからね?」

所長は甘いマスクで微笑む。

嘘? 追跡って…

その後3人から聞き取りをされた。幸子さんと渉君はまるで刑事さんみたいに。でも所長は微笑んで相槌を入れるだけ。

最初に住んでいたアパートの住所から宅配を送った事があるか?

水回りや電化製品の修理業者を頼んだ事があるか?

最初のアパートと次に引っ越したアパートの両方を知っている人は誰か? その中で携帯番号を知ってる人は?

幾つか質問され最後に所長は

「ふーんなるほどねぇ?」とひとり微笑んで頷いた。

その後、幸子さんのご主人がショートステイしたのは、昨夜、所長から私の事で話があると連絡があって、ゆっくり話が出来る様にしたそうだ。

迷惑をかけて本当に申し訳ない。




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