探偵の彼に追跡されて…
確かに所長のキッチン何でも揃ってますよね?
全く使われた形跡のない炊飯器や温め機能しか使っていないであろう多機能のオーブンレンジ。
料理をしない所長は絶対使わないであろうフードプロセッサーを何故買ったのか聞いてみたいが、多分所長の答えは『電気屋のお兄さんが凄く便利だって言ったから!』だろう。でも一応聞いてみるか?

「しょ…」

おっと間違えるところだった。ヤバイヤバイ!

「沙汰郎…」

「ん?いま所長って言おうとして言い直しただろ?」

「そ、そんな事ないです…それよりどうしてフードプロセッサーやスチームクッカーなんて有るんですか?」

「あっあれねぇ凄いんだよ!色んな野菜が簡単にみじん切り出来るしナント肉の塊がミンチに出来るんだよ!ハンバーグも簡単だって凄いでしょ?」

はぁ…

「あのですね今時のフードプロセッサーでお肉の塊でミンチが出来るのは当たり前です! だからと言って所長がハンバーグを作れる訳じゃ無いですよね?」

「そうなの?」

「『そうなの?』って作った事あるんですか?」

「無い!」

…だと思いました。

「で、スチームクッカーはどうして買ったんですか?」

「スチームクッカーって何だっけ?」

はぁ…この人ある事さえ忘れてる?

「キッチンの棚に仕舞ってある二段の蒸し器です」

「あっあれねぇ上と下とで別の物を蒸して作る事が出来るんだって凄いよね? 電気屋のお兄さんも持ってるって言ってた時間短縮になるんだってさ!」

「二段有るという事はそういう事ですけど、所長っじゃなかった沙汰郎の持っているオーブンレンジでもそういった機能付いてますからね!」

「えっ?そうなの?」

ほんとに良いと言われたら何でも買って来る癖なんとかしなさいよ!
そのうち詐欺にあうよ!?
この人国立大出て頭いいはずだけど? 勉強の出来る頭の良さはあってもそれとこれは別なのかな?




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