探偵の彼に追跡されて…
「あっこれ良いじゃん!」

「使いません!」

「あっ凄い!これは便利だよね?」

「有ります!」

「美野里ちゃん?…」

「いりません!」

こんな会話さっきからどれだけしてるだろう…

郊外の大きな商業施設へ買い物に来たのは良いが、こういう大きな所は衣住食全て揃うのがメリットではあるが沙汰郎にとっては目の毒にしかならないわ。

電気屋に行けば一度も使っていない炊飯器の事は忘れて店員さんの新型炊飯器の説明を熱心に聞いていると思ったら案の定

「スチーム&可変圧力新型炊飯器って凄いんですね?買います!」

こらこら!貴方は立派な炊飯器を持ってるでしょ?使ってませんけどね!

お掃除ロボットを店員さんが

『このお掃除ロボット君はおしゃべりもしてくれるんですよ。一人暮らしの人にはペット代わりに買って行かれる人も居るんですよ。それにペット代わりなのに餌代がかからないだけじゃなくて埃を食べてくれるペットなんて嬉しい限りだと思いませんか?』と巫山戯た説明をしていると、

「凄い!埃を食べてくれるペットなんてそうそう居ないですよね?うん、買います!」

沙汰郎…あんた馬鹿? 
埃を食べてくれるペットは『そうそう居ないですよね?』じゃ無くて居ません!
それに沙汰郎の部屋には2台のお掃除ロボットが今日も走り回ってましたけど!?

私は店員さんに「検討します」と言い沙汰郎の腕を掴むと「行きますよ!」と引きずる様に家電売り場を後にした。

こんな調子でホームセンターでは便利なお掃除グッズに目を輝かせ、〇〇製品2,000円以上お買い上げでクジが引ける言われると洗剤を大量に買おうとする。

……沙汰郎…
あんたお店からしたらイイカモだわ…




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