探偵の彼に追跡されて…
「沙汰郎!美野里ちゃんの事頼んだよね!?」

「あの…幸子さん所長は助けに来てくれたんです!」

「好きな女を助けに行くのは当たり前じゃない!」

え?好きな女って…

「私が言ってるのは遅い!って言ってるの!もう5分も遅かったらヤラれてたんだよ!? なんで美野里ちゃんの家の前で張り込んでなかったの!? 一週間や二週間寝ずに張り込めっつうの!!」

えっー無茶苦茶な…

苦痛な面持ちの沙汰郎は反論することも無くただ「ごめん」と呟いた。

「あの…幸子さん? 取り敢えず未遂で終わったんで…」

「えーでも首元にキスマーク付けられましたよね?」

渉君の発した言葉に怒りが収まりかけていた幸子さんはまた顔色が変わり、所長は「殴って下さい」と項垂れて言う。

「いってぇー…美野里さん痛いっすよ!」

殴ったのは私。私が渉君の頭を殴ったのだ。

「幸子さん。心配かけてすいません。でも、今回の事で私、所長の事が好きだって気がついたんです。だから怪我の功名って事で所長を許して貰えませんか?」

お願いしますと頭を下げた。

「まぁこの位にしとくか? ねぇー渉君」

幸子さんと渉君は楽しそうに「面白かった」と笑っている。

ん?どう言う事でしょう?

「あの…これは?…」

私と沙汰郎は何がなんだか分からず目をパチクリサせて幸子さんと渉君を交互に見ていた。

「もう知ってたのよ。金曜日の夜、渉君に電話貰って聞いてたの。電話貰った時は心配したけどキスマーク付けられたくらいで済んで良かったわよ!ちょっと所長にお灸を添えたの!女ひとり守れないんじゃ情けないじゃない?でもこれからはちゃんと守っていくみたいね?しっかり所長のキスマークで嫌なキスマークは隠されてるみたいだし?」






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